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元気人登場心に共鳴するハンドフルートの音色

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2011年8月号

ハンドフルート&ピアノデュオ
CHILDHOOD

ハンドフルート(手笛)とピアノのデュオ、CHILDHOOD(チャイルドフッド)。演奏を聴いた人々は口々に、「郷愁を誘う」「癒される」と語る。ハンドフルートの音色は、人々の心に静かに染み入り、明日への活力を与えてくれる。

会場に響き渡る澄んだ音色

東京・六本木のイベントライブは、「心の故郷」をテーマに盛り上がっていた。
終盤近く、ハンドフルートの森光弘さんとピアノの臼田圭介さんのデュオ、CHILDHOOD(チャイルドフッド)の出番になった。ライブでは、「つつまれて」「HIKARI」のオリジナル2曲を演奏。森さんが両手を合わせて息を吹き込むと、澄みきったメロディーがライブハウスに響き渡る。悠久の流れに身を委ねているような心地よさ。オカリナや口笛にも似た心に染み渡る音色に、ざわついていた会場はいつしか静まりかえっていた。
演奏が終わると、森さんが「みなさんにもハンドフルートに挑戦してもらいます」と即興のハンドフルート講座がスタート。
「まず手を奥まで組みます。……手の中にできた空洞に息を吹き込むと音が出ます」
──スーッ、フーッ。メロディーどころかまともな音すら出ない。情けない音があちこちで聞こえると、観客はどっと笑った。

呼吸を感じる楽器

デビューアルバム『光の中へ』、共作『日本晴れのうた─ハミングしたい時代劇音楽集』

森さん自身が考案し名づけたハンドフルート。この耳慣れない“楽器”は手笛だ。あらためて森さんにハンドフルートの演奏方法について教えてもらった。
まず、お祈りをするように両手をしっかりと組む。親指を平行に並べ、関節を曲げてできた隙間に息を吹き込む。手の中にできた空洞が狭いほど高音になり、広げると低音になるという。説明を聞くと簡単にできそうだが、実際にやってみると難しい。というより、全く音が出ないのだ。
「でしょ。実はぼくもできないんですよ」とピアノの臼田さんが笑った。
森さんが“手笛”を始めたのは、小学2年生の頃。父親にフクロウの鳴き真似を教えてもらったのを機に手笛のおもしろさを知る。その後、工夫を重ねるうちにいつしかメロディーが吹けるようになった。
「友達とケンカしたり先生に叱られたりイヤなことがあると、手笛をよく吹いていました。吹いているうちに楽しくなって、イヤなことも忘れちゃいました。中学生の頃、吹奏楽部で余興で吹いたりしましたけど、基本的には、一人で黙々と演奏していました(笑)」
森さんが本格的に“ハンドフルート”を演奏するようになったのは、大学3年生のときだった。芸術祭(文化祭)のコンサートへの参加を勧められたのがきっかけだった。
参加にあたり、森さんは臼田さんを誘った。森さんのハンドフルートを聞き、その音色に驚いた臼田さんはすぐに引き受けた。
「音色の美しさだけでなく、音域の広さに、(ハンドフルートは)“楽器”として成り立っているな、と思ったんです」
ピアノ演奏科で編曲を学んでいた臼田さんがピアノとアレンジを担当し、デュオ・CHILDHOODが誕生した。
それまで鼻歌や口笛のような気軽な感覚で吹いていたが、コンサートを機に楽譜を見て演奏するようになった。練習を重ねるうちに、いつしか音域も3オクターブまで広がった。ピアノの伴奏が加わることで、二人はハンドフルートの可能性を強く感じるようになる。
「呼吸を感じる楽器、というのかな。歌に近い印象がありますね」(臼田さん)

ハンドフルートの 可能性を信じて

演奏曲は、テーマや客層をイメージしながら組み立てていく。学校ならアニメソングや童謡など子どもたちが一緒に楽しめる曲を、老人ホームなら唱歌やクラシックなど高齢者になじみのある曲をオリジナル曲と組み合わせる。現在、オリジナルの曲は20曲ほど。各自で作ることもあれば、一緒に作ることもある。
ハンドフルートの演奏を通して、音楽の世界が広がった、と2人は言う。例えば、最初は半信半疑で演奏してみた「ルパン三世のテーマ」は、アップテンポがハンドフルートの音色にマッチし、今やCHILDHOODの代表曲の一つになった。
「ジャズやポップスなど、様々なジャンルの曲に挑戦したいし、いろいろなミュージシャンともかかわっていきたい」(臼田さん)
「世界中で演奏したい。『楽器がなくても、自分のからだでこんな演奏ができるんだよ』って知ってもらいたいんです。今、ハンドフルートの演奏者はぼくしかいないから、どこまでできるのか目標がわからない。だからこそ、ハンドフルートの可能性はまだまだたくさんあると思うんです」(森さん)
2人の笑顔は、今も夢見るchildhood(少年時代)のままだ。

「自分のからだで、 こんな演奏ができるんだよ」って 伝えたい

おおはし・ゆうじ

プロフィール

ちゃいるど・ふっど
左▼森光弘(もり・みつひろ)
ハンドフルート担当。1982年東京都生まれ。東京音楽大学音楽教育科卒業。幼少の頃から手笛に興味をもち、独学で演奏法を習得。自ら「ハンドフルート」と名づけ、大学在学中からハンドフルート奏者として演奏活動を開始する。
右▼臼田圭介(うすだ・けいすけ)
ピアノ、キーボード担当。1981年千葉県生まれ。東京音楽大学ピアノ演奏科コース卒業、同大学院伴奏科修了。ピアニストとして活躍するとともにCHILDHOODでは伴奏、作曲・アレンジを行う。
ホームページ:http://www.childhood-fc.com/

取材・文/関原美和子 写真/八木実枝子

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【定価(価格)】
800円(税込み)
【雑誌コード】
17593-10
【発行年月日】
2011年09月16日
【図書コード】
7140001-11-100
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