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学校経営大賞第4回/地域・保護者との「共育・今日行く」による学校づくり──強みを生かした学校運営

ENTRY No.9 2011年3月号

兵庫県伊丹市立東中学校長 太田洋子

何事も最初が肝心

「おはようございます」「こんにちは」今日も学校中に元気な声が響く。
本校は、校区の東に大阪国際空港を有する「全国どこからでも2時間以内で来られる学校」である。
数年前までは、器物破損・授業中の徘徊等落ち着かない状況もあった。しかし、その中でも、保護者から「見守り組織」が生まれるなど、「保護者や地域が協力的である」といった強みがある。さらに「同じ敷地内に小学校がある」という特色もある。
「改革にはスピードが必要。3か月経ってめどの付かないことは何年経ってもできない」
今から5年前、当時の伊丹市の教育長からの教えである。私自身、常にそのことを意識し、昨年、新任校長として着任した際に、学校の資源となる「強み」を生かした学校運営の方向性を1学期中に固めようと決意した。

校区の風を学校に呼び込む工夫と実践

(1)「東中ファミリーサポーターズ」の設置
「私たちが学校をサポートするから、先生たちは授業や部活に専念してほしい」そんな多くの保護者の声を形にしたいとの思いから「東中ファミリーサポーターズ」の設立を呼び掛けた。
私自身も校区内の元教員の自宅を訪問したり、地域の会合や近隣大学に出向き協力を要請した。結果的に60名を超えるスタッフが集まり、組織的な活動が可能になった。年間5回のリーダー会議と年1回の総会により各部門の共通理解を図っている。
また、独立校舎である本校西館のセキュリティーシステムを単独化し、その中に「ファミリーサポーターズルーム」を設けた。湯茶や文具類等は自由に使えるようにし、鍵の管理をリーダーに任せたこともあり、各部門とも活発な活動が行われている。
東中ファミリーサポーターズ活動内容
①スマイルサポート(保護者・地域住民8名)
掲示物の作成・装飾や校内の整備支援
②グリーンサポート(地域住民2名)
学校内の緑化と校舎外の清掃・美化支援
③スタディーサポート(大学生・地域住民・保護者・元教員50名)
「サタスタ東」等の学習支援
④ライブラリーサポート(保護者8名)
学校図書館の環境整備と、「絵本の読み聞かせ」「昼休みの巡回図書」等の実施
(2)土曜日の学習会「サタスタ東」の実施
平成21年6月、「東中でも土曜学習を」という保護者の熱い思いを受け、「サタスタ東」が始まった。150名以上が登録し、毎回60名を超える生徒が参加している。
今年度からは、ボランティアスタッフが中心となり、「長文読解」「方程式」等の受験対策講座を開設している。さらに、「風呂敷の包み方」「サタスタバンドによる演奏会」等のプラスαの学びを提供している。12月には本市の藤原市長を招聘し特別授業を実施した。フリートークの中では伊丹市の課題である空港問題について生徒との活発な意見が交わされた
(3)「東中地域活性隊」の結成
地域との双方向の活動として、生徒会に呼び掛け、「東中地域活性隊」を立ち上げた。40名を超える生徒が集まり、オレンジのユニフォームを着て、市や地域のイベントスタッフとして参加している。スタートから1年が過ぎた今では、生徒自ら活動についての提案が出てくるようになった。地域からは「中学生がよく動いてくれて助かった」「東中のイメージが変わった」といった評価をいただくようになり、生徒たちの自尊感情の醸成にもつながっている。
(4)保護者や地域への情報発信
学校のきまり等、保護者には学校の情報が思ったほど伝わっていないことが多い。そこで、学校ナビゲーション「知っとこ!東中」を作成し、生徒・保護者だけでなく校区内の小学校教員にも配布し説明した。併せて「授業シラバス」を作成し、学期始めの全授業で、目標や評価の方法、家庭学習の仕方等を生徒に説明するとともに、個人懇談でも活用した。
また、「学校メール配信システム」を活用し、宿泊行事の現地からの情報や学校の取組み等の配信も始めた。
(5)小中連携の推進
小中連携は中学校における生徒指導上の課題解決の重要な鍵であると捉え、東中と校区内の2小学校の研究主任・生徒指導担当からなる連絡会議を設置した。
夏期休業中には3校合同研修会を開催し、互いの方針等の共通理解を図っている。教科別の分科会では「3校交流あいさつ運動」「音楽や体育での合同授業」「中から小への出前授業」等が企画・実行され、互いの信頼関係が深まりつつある。さらに、これらの取組みを「小中連携ニュース」としてまとめ、3校の職員に配布した。

そして学校が変わった

まず変わったのは教職員の意識である。保護者や地域は自分たちを支えてくれる存在であるという認識が育ち、「電話より家庭訪問」「地域行事へ参加」など積極的に地域に足を運んでくれている。
また、「ベテラン教員を講師とした夜間の自主研修会」「授業規律再編月間」「生徒会リーダー研修会」「学習マラソン」等、次々とアイディアが生まれ、実行に移されている。
しかし、一番変わったのは生徒の意識である。多くの大人に見守られている安心感が生まれ、今まで以上に学習や部活動に落ち着いて取り組むようになった。さらに、不登校生の減少など目に見える成果も出てきている。
今後も、この「共育・今日行く」の動きを止めることなく、地域や保護者と一体となった学校運営に邁進していきたい。

(学校規模)
生徒数619名/教職員数37名(平成23年1月31日現在)

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