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学校経営大賞第4回/「絆」を深める学校づくりを目指して──豊かに関わり合う場の工夫を中心にして

ENTRY No.7 2011年1月号

愛媛県松山市立三津浜中学校長 亀田勝豊

生徒を核にした学校に関わる人々の「絆」を深めることが私の教育信条

本校は過去に「荒れた学校」「教育困難校」として名を馳せた学校である。その背景や原因はさまざまに考えられるが、一番は公よりも私を優先させる私事化社会の中で、人々の「絆」が薄れてきて、学校をはじめ社会全体が教育的な機能不全に陥ってきたことが挙げられる。特に学校では特別活動における集団活動の時間が不可避的に精選され、社会性を十分に培うことができにくい状況が生まれてきたのである。そこで、本校ではその反省を踏まえ生徒指導上の対応策も兼ねて、集団を通しての人間形成の場としての学校行事や部活動等の教育活動を重視してきたのである。しかし、それらの教育活動を支える教職員間、教員と保護者や地域の人々との関わり合いは私から見ると十分とはいえない実態があった。
そこで、私が2年前に本校に着任してまず心に誓ったことは「子どもたちの健全育成のために、学校に関わる人々が「絆」を深めて、学力や進路をしっかり保障する学校づくりを目指そう」ということであった。そのために校長自らが率先して具体的に次のような事項において行動を起こすことにした。
・校長として生徒と豊かに関わり合う場の在り方を工夫すること
・校長と教職員、教職員と生徒とが豊かに関わり合う場の在り方を工夫すること
・生徒が保護者や地域の人々と豊かに関わり合う場の在り方を工夫すること

「絆」を深めるために行った、豊かに関わり合う場の工夫

(1)ICTを活用した校長講話と「もしもしポスト」の運用
校長にとって生徒との直接的な関わり合いの場は、何といっても校長講話の場である。私は生徒に対する自分の思いや願いをしっかり伝えたいと思い、できるだけパソコンのプレゼンソフトを活用して、内容に即した写真や図表等を示しながらメッセージ性の強い講話をするように心掛けている。そして、単に生徒に伝えるだけでなく、生徒からの反応を受け付ける「もしもしポスト」を校長室前の壁面に設置し、双方向の関わり合いで「絆」を深めるようにしている。
「正岡子規の生きざまに学ぶ」というテーマで話した講話の際には、生徒たちの感動的な感想を読みながら、自然に涙が流れるのを止めることができなかった。
(2)進路相談「カメカメ給食」の実施
中学校において進路指導は大変重要な教育活動である。私は教員をサポートするつもりで3年生を3~4人ずつ校長室へ招待し、給食を一緒に食べながら、生徒の将来の夢や具体的な進路希望等を聞く、通称「カメカメ給食」を実施している。わずか20分ほどの時間ではあるが、3年生との双方向の関わり合いによって生徒との心理的な距離が縮まり、後日、更なる報告に校長室を訪ねてくれる生徒も増え「絆」の深まりを実感している。
(3)教職員との対話的な個別面談の実施
学校の教育活動が十全に機能するためには、校長と教職員の固い「絆」が必要である。本校では、年度当初に一人ひとりの教職員に年間を通した努力目標を決めさせて、それを一覧表にして配布し、お互いが認め合い見守り合うようにしている。また、各学期末には自己評価をした上で校長からの他者評価を加えるようにしている。さらに、単に文書だけでなく、夏季休業を活用して努力目標の実現度や今後の取組等について校長と教職員との対話的な個別面談の機会を設定し、双方向の関わり合いができるようにしている。
(4)校長便り「もしもし通信」の発行
私は学校経営方針や本校の教育活動への思いや反省、校長講話の内容、読書紹介、日々考えたり感じたりしたことなどを綴った校長便り「もしもし通信」を発行し、教職員に配布している。なるべく校長の本校教育への熱い思いを具体的な教育活動に即して語るようにしている。特に授業参観をした所感はその日にまとめ配布するようにしている。それらの内容に関する質問が教職員からなされたり、職員室の話題になったりして、少なからず校長の学校経営や授業改善に関するエートスが浸潤しているように感じ嬉しい限りである。
(5)師弟同行による学校行事の充実
本校の経営方針の一つに「師弟同行による共に高め合う集団づくり」を掲げている。体育大会や文化祭、合唱コンクールなどの学校行事は、生徒が主体ではあるが、その生徒のやる気や意欲を喚起する契機として、教師自らが率先してその行事に燃えて取り組むことが大切である。私は校長として各行事の準備や練習、当日の運営、後日の反省に至る過程の各場面で常にそのことを教職員に働きかけている。おかげで本校の学校行事は活力に満ちたものになり、保護者や地域の人々からも大きな称賛を受けるほど充実したものになっている。生徒たちはその中で深まった「絆」を実感し、学校行事の節目ごとに大きく成長している。
(6)地域に根ざしたボランティア活動の推進
本校の特色ある教育活動の一つに「生徒会主催によるボランティア活動」がある。毎年、夏に開催される地元の三津浜花火大会(松山港まつり)には生徒会役員を中心に200人を超える生徒が参加し、事前の会場設営から当日の運営補助、そして事後の後片付けや清掃に汗を流している。そこで、生徒自身の願いや思いも取り入れることができるように、主催者側の担当者と教員や生徒会役員との双方向的な関わり合いの場を設定するよう校長がコーディネート役を果たした。
以上のような取組の結果、生徒を核にした学校に関わる人々の「絆」がより深まってきて、今、学校は落ち着いた雰囲気になり、生徒たちは真剣に授業に取り組んでいる。
今後は、この成果を「確かな学力」の定着と向上にまで敷衍し、個に応じた適切な進路保障に繋げるべく鋭意努力する所存である。

(学校規模)
生徒数590名/教職員数36名(平成22年11月1日現在)

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