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学校経営大賞第4回/本校に関係するすべての人々の幸せを追求する学校経営──すべての児童に必要な特別支援教育の推進を中核として

ENTRY No.6 2010年11月号

栃木県小山市立乙女小学校長 中山和彦

本校の役割は、関係するすべての人々の幸せを追求すること

(1)経営ビジョンの中心は「人」を大切にすること
本校に校長として勤務して3年目となった。終始追求してきたのは「本校の役割=関係するすべての人々を幸せにする学校経営」である。本稿では、標記テーマおよびサブテーマに即した本校児童の成長と教職員の成長について述べる。
(2)私の経営理念
ア 教職員の人間性の向上
  ─「修養」の大切さを共通理解─
学校は「人」そのものである。「人としてやさしく、あたたかく、謙虚に、誠実に、強く」、常にそうありたいと修養に努める乙女小学校の教職員でありたい。
イ 「あなたが大切」を合言葉にした経営
教育活動全体で推進している「いのちを大切にする教育」についての合言葉である「あなたが大切」は、本稿のテーマである特別支援教育推進にも深くかかわるものである。

特別支援教育推進にあたっての校長のリーダーシップ

(1)推進にあたっての五つの方針
校長が、本校経営の中核とする特別支援教育推進の方針を明確に示すことは必要不可欠であり経営者の責任として当然である。
ア 特別支援教育は、全ての本校児童に必要である。
イ 児童の状況を常に「視える化」し、情報の共有化と問題解決の活発化を進める。
ウ 教職員全員の協働体制で取り組む。担任に丸投げしない。
エ 保護者に「子育ての当事者意識」を喚起する。
オ 校長は、特別支援教育コーディネーター権限の一部を委譲し、人的配置を含めて迅速に対応させる。最終的責任はすべて校長にある。
(2)経営の中核が、なぜ特別支援教育の推進なのか
本校児童の主な傾向として、学校生活の中でトラブルが絶えない、衝動性が強く、自分の思いが通らないとパニックになる、授業中に離席する等が挙げられる。どのクラスにも何らかの「困り感」をもつ児童が増加傾向にある。また、平成21年度は典型的な「小1プロブレム」の状況となり、学校全体が困り感でいっぱいとなった。しかし、一番困っているのは児童自身であり、保護者であることを教職員全員で共通理解して経営の中核とした。
(3)教職員全員が当事者
校長は、特別支援教育推進に係る教職員の意識の温度差をゼロにすること、全教職員が当事者であることを伝え続けるとともに、具体的な支援の手だてに係る考え方を明確にしている。
(4)主な支援の手だて
ア 保健室を「総合ケアリングセンター」として機能させる
・教育的ニーズがある児童の支援や保護者との面談
・担任や支援スタッフと支援計画についての協議
イ 「気になる子情報交換会」の設置と推進
ウ 「校内支援部会」の設置
・支援担当者を検討し、決定する権限を委譲している。
エ 各担任による支援
・各担任が自主的に空き時間を1時間返上して、保健室での支援に当たっている。
オ 個別の指導計画作成
担任が中心に作成するが、協働体制で支援していくために、その児童にかかわることが多い教職員がチームを編成して、成長の事実を付箋紙にメモして集約し、指導計画の改善を図っている。
カ 「ことばの教室」との連携
自己肯定力、自己の感情に気づく力、感情を表現する力、自己コントロール力、話を聞く力等を育成できている。

教職員の成長による、児童の確実な成長

(1)教職員が身に付けた支援に必要な「三つの眼」
ア 児童の困り感を見つけ出す眼
イ 一人の児童を同じ思いで見る多くの眼
ウ 児童の成長を根気強く待つ長い眼
教職員全員が「三つの眼」を大切にして支援に当たっていることで、児童が確実に成長している。
(2)児童の確実な成長
自分に必要な支援を利用しながら、学級集団で自分らしく生活できるようになった児童が増えている。特に、自己の感情に気づき、自己をコントロールする力が向上している。本校の教職員全員による特別支援教育の推進体制は他校に誇れるすばらしいものである。困り感をもつ多くの児童が、私たち教職員を成長させている。これからも、児童の問題をピンチではなく学校力向上のチャンスと考えて経営していきたい。

(学校規模)
児童数363人/教職員数34人(平成22年9月1日現在)

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