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学校経営大賞第4回/子どもと向き合うための学校改革

ENTRY No.3 2010年6月号

東京都東村山市立大岱小学校長 西留安雄

「学校常識を変える」ことを信条にし、学校改革を行ってきた。学習指導要領の理念を学校に浸透させるには、学校をリニューアルすることが重要である。子どもによいと思ったことを、即座に実行することが大切である。自ら「汚れ役」に徹し、改革を進めてきた。

学校改革大綱を提示

「子どもが落ち着かない。問題行動が絶えない。学力に課題がある」ことに危機を感じた。その解決には、教師が子どもと向き合う時間を確保することが重要と考えた。これまでの学校常識をすべて捨て、学校改革「リニューアル大岱(おん た)」を始めることを宣言した。校長として永年温めていた学校改革大綱(新学校システムと新研究システム)を自ら提示した。

新学校システムの構築

(1)会議の廃止と直後プランDCAPマネジメントカリキュラムサイクルの確立
従来の教育課程編成方法は、毎月の職員会議と年度末の学校評価であった。そのため課題が出されても具体的な改善策は提案されず、前例踏襲の教育課程が多かった。そこで、毎回の教育活動後「D」、全員による即座の評価「C」と改善策「A」を行い、担当者が次年度の計画「P」を立てていくマネジメントサイクルを提示した。
これにより、毎月の職員会議や各種委員会が不要になり、子どもと向き合う時間を確保できた。教師は、職員会議がないため、子どもと遊んだり、補習を行ったりしている。
(2)一役一人制の運営組織と事案決定システムの開発
従来の学校システムでは、事案の決定は、「担当者→月に一回の各種委員会→企画会議 職員会議」というラインであった。そのため、校長の経営方針が浸透しなかったり、決定に時間がかかったりする等の課題があった。そこで、一役一人制による学校運営組織で事案を主幹、副校長、校長へ上げていくシステムを提示した。
このシステムにより、従来の前例踏襲が無くなり、校長の教育理念に沿った教育課程を教師一人ひとりがカリキュラムマネジメント・マインドを持って作成できるようになった。

新研究システムの構築

(1)大岱式授業改善DCAPサイクルの確立
これまで、学習指導案の作成「P」、研究授業「D」、研究協議「C」、論文作成「A」のサイクルで研究を進めてきた。しかし、学習指導案に多くの時間をかけすぎた割には、成果が出なかった。そこで、①授業実践、②ワークショップによる検証、③修正、④再度の改善指導案を作成するDCAPサイクルを取り入れた。
これにより、授業改善のシステムを確立した。ワークショップによる検証で全教師が考えを出し合うこともできた。「研究が楽しい」と言う教師が増え、手ごたえを感じた。
(2)学習言語わざと言語わざの開発
言語わざとは、学習言語わざと学び合いを深めるときの言語のことである。学習指導要領から取り出した「書く、読む、話す、聞く、調べる、評価する」といった言語わざを意図的に指導するように指示をした。
学習言語わざと、話すことに特化した言語わざを授業の中で意識的に使わせることにより言語力は確実についてきている。どの教師も見ごたえのある授業ができるようになった。
(3)まなブックの開発
まなブックとは、子どもたちが自ら授業を進めるためのガイドブックのことをいう。これまで多くの研究授業をこなしても授業力が上がらない現状があった。そこで、子どもたち自身が授業の流し方を捉えるように指示を出した。内容は、問題解決型の授業の流れ、言語わざの使い方、学び合いの仕方、各教科の進め方等である。
子どもたちは、完成したまなブックを参考に自ら学習を進めることができるようになった。保護者にも、よい授業は子どもたちが進める授業であることが浸透してきている。
(4)プロフェッショナルティーチャーズノートの開発
プロフェッショナルティーチャーズノートとは、授業の流し方や約束事を記した教師用の指導ノートのことである。どの教師も問題解決学習型の授業が確実にできるように、授業の流し方の初級、中級、上級モデルを自ら示しノートに記載させた。
授業の流し方を視覚化したことにより、誰でも授業を進める方法を身につけることができた。授業に自信のある教師が育っている。
(5)OJTノート(大岱教師常識辞典)の開発
OJTノートを開発したのは、教師として知っておかなければならないことを学んでほしい思いからである。危機管理は服務に関することが主であるが、実際の危機は毎日にある。それを文章に視覚化したのがOJTノートである。当たり前だと思われること、保護者・地域から指摘されたこと、若手教師に伝えたいこと等を全教師でまとめるように指示をした。
OJTノートを使った研修を進めた結果、保護者からの学校への苦情は減ってきている。管理職が教師を指導する機会も減ってきた。
学校を変えるのは校長である。変えるためのシステムを作れるのは校長だけである。その校長に必要な資質は、学校を変えるという強い思いと具体的な方策を自ら示すことである。新しい学校を創ることに一層努力をしていく。

(学校規模)
児童数478人/教職員数20人(平成22年4月1日現在)

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