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学校経営大賞第4回/「人権&音楽」で培う 「Harmony」経営

ENTRY No.2 2010年5月号

前徳島県吉野川市立鴨島第一中学校長 河口雅子

本校は、30年前に文部省同和教育研究大会の指定校としてのすばらしい成果を県下に残していた。私が本校に赴任したのは本大会直後の時期であり、赴任と同時に同和教育で培われた子どもたちの人権感覚ややさしさ、エネルギーをより一層深化し、人として美しい生き方ができる子どもたちの育成を目指し、人権教育と音楽教育を重ね合わせる教育活動を推進していった。

私の教育方針

「Harmony」であった。合唱指導においては、各声部の充実、声部の重なりの充実、指導者との深いつながりこそが美しい音楽を創り上げる。11年間での本校での在籍中、同和教育で培われた心を音楽指導に生かしていったが、この間、合唱部が全国大会5年連続出場、全国大会金賞3回(うち全国第2位2回)という成果を得ることができた。また、私自身の中に「Harmony」を大切にするという指針は、合唱指導にとどまらず、学級経営や教科指導から学校経営へ生かしたいという思いが常にあった。

学校経営で生かして

昨年から本校に校長として二度目に赴任したが、以前に合唱指導を通して自身の指針とする「Harmony」における三つの視点から学校経営にあたってきた。教員集団、生徒集団、保護者、地域、関係機関、そうした全ての人の「Harmony」こそが、教育活動の原点であり、目指す教育、目指す生徒の育成にはその実践化が不可欠であると信じてきた。私が学校経営における「Harmony」の視点と考えたのは次の3点である。
(1)職員集団の「Harmony」(組織マネジメントの活性化)
・教職員個々の力を発揮できるための目標の設定と課題解決(PDCAの充実)
・チーム集団としての教育活動(各立場からのチーム体制づくり)
・特別支援教育・人権教育を根底においた全教職員での取組み(情報の共有化)
(2)生徒集団の「Harmony」(自己責任の共有化)
・なかまづくり(学校生活、部活動、学校行事等を通して)
・人権教育の深化(人権学習、日常生活の場面場面での積み重ねを通して)
(3)保護者、地域の「Harmony」(連携の推進)
・校長室だより「鴨一(かもいち)ハーモニー」の発信
校長だよりを「かもいちHarmonyに乗せて」と名づけ、年間30号を目標として発信している。内容は、私自身の子どもに寄せる思い、学校での子どもたちの様子やがんばり、保護者からの激励等を掲載している。本年度は地域にも配布したが、各家庭を訪問すると、「よく挨拶してくれる、礼儀正しい」などの関心や理解が得られ地域での支援体制ができつつある。
・地域での清掃作業「エコフレンド」への参加
地域の人々との清掃活動も8年目を迎えた。12月1日には本校男子が参加者8000人目の表彰を受けた。毎月第1日目の朝7時から8時までの1時間、地域の方々とともに学校横を流れる江川周辺のゴミ拾いをする作業である。こうした環境問題学習も人の生き方にかかわる視点として活動を行っている。
本年度(平成22年度)は校内人権学習と校内合唱コンクールをオープンスクールとし、その案内を校区内全戸に発信した。大きな反響を呼び、かつてない二つの行事に500名の方々の参加が得られ、子どもたちの頑張りをみていただけた。
20年前には、自然や人間への感謝の心を歌う合唱曲「大地讃頌」を全校合唱として卒業式や合唱コンクールに取り入れて以来、今も伝統として歌い継がれている。今年度は3年生の人権学習で「自分にとっての大地讃頌」「大地讃頌に寄せる思い」、そうした思いをクラスで語り合うことができた。それが生徒たちの深い、熱い思い、互いを大切にする心が仲間集団とつながり、熱い思いが創られた。人権学習に支えられた子どもと担任の心は一丸となって結びついた。

さらに、本年度はもう一つの「Harmony」が創られた。それは、「先輩の生き方に学ぶ」講演会の実施による先輩と在校生の「Harmo-ny」である。
本年度、30年ぶりに本校野球部が四国代表として横浜スタジアムで行われた軟式野球全国大会へ出場するという機会を勝ち取った。30年前に同和教育研究大会で人権劇に出演、また全国大会に出場した野球部のキャプテンが「先輩の生き方に学ぶ」講演会で、「野球を通しての人としての美しい生き方」を熱く語ってくれたのである。
さらに合唱部の一人だった先輩を招き、「音楽のすばらしさ」や「音楽を通して学んだこと」の話を併せたコンサートを実施することができた。また、別の先輩たちが合唱コンクールの当日に、かつて全国大会で歌った合唱を聴かせてくれるなど、後輩たちとの温かい「Harmony」へと結びついた。
こうした人権と音楽で培われた校内合唱コンクールでの本番での合唱は、どのクラスもまさに「Harmonyが奏でる」と呼ぶにふさわしい合唱で、子ども、教師、保護者、地域の方々すべての思いが一つになって、深く熱い感動が広がったのである。
現在、30年ぶりの文部科学省人権教育研究大会の会場校として、人権と音楽によって培われた「人が人を大切にできる教育活動」が進んでいる。
挨拶が聞こえ、優しい言葉がけが聞こえ、一つ一つの事柄が効果的に巡回する。そのような本校教育を地域の方々に理解していただき、子どもの様子を見ていただけることこそが、確かな学力、豊かな心、健やかな体の育成が図られている姿である。
「人権&音楽」で培われた「Harmony」によって、美しい生き方のできる子どもたちを育成し、校長としてリーダーシップを発揮し、より輝く本校教育となることを目指していきたい。

(学校規模)
生徒数383名/教職員数15名(平成22年5月1日現在)

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